オレの中の「普通コンプレックス」


http://blog.livedoor.jp/yuikoinu/archives/50577020.html


オレの中にも、やっぱり「普通コンプレックス」はある。
いや、ただ「ある」だけじゃなくて「かなりある」と言った方がいいかも。
普段はそんなのは全然表立たないのだが、何かのキッカケで表面化してしまうと、そんなコンプレックスに押しつぶされそうになって抑うつ的な傾向に陥ってしまうことが多々ある。



オレの中の「普通」のステロタイプはと言うと・・・



○中学、高校で彼女が出来る(初恋、またはソレに準ずる「若き日の恋」)。
○大学を出て一般企業に就職。
○仕事が軌道に乗ったところで↑の彼女と「若き日の恋」を成就させて結婚。
○奥さんは家庭に入り、夫は家族分の養育費をしっかり稼いでくる。
○子供を複数もうけてささやかな「家庭のシアワセ」を得る。
○郷里に戻って、孫ともども両親に親孝行する。



・・・・・・何か書いてて自分でイヤになってくる位、前時代的でアナクロニズムな妄想に溢れた「普通」だが、究極的に言えば↑みたいなのがオレの中での「普通」なのだ。
昭和の高度経済成長時代ならともかく、この平成の世の中にこんなアナクロ感溢れた「普通」な人間が居るかというギモンもあるだろうが、驚くことにオレの知り合いにピッタリ合致する人間が居る。



ソレは、オレと同い年のイトコのEちゃん(♀)だ。



ハッキリ言おう。
オレの「普通」はEちゃんがモデルだ。
もっと言えば、Eちゃんに対するコンプレックスがそのまま「普通コンプレックス」に繋がっているとも言ってもいい位だ。



ガキの頃、まだ「恋」だの「愛」だのを意識する前から彼女とはよく一緒に遊んで
「Eちゃんと結婚する〜!」「hideクンと結婚する〜!」
等と無邪気に言い合う位仲が良かった。
だが、小学校高学年から中学校に至ると次第に距離が離れていき、高校入ってからはほとんど接点が無くなってしまった。


同時に、オレは太い体と鈍い運動神経、ソレに汗っかきで体臭がキツいということを理由にクラス内でイジメが相次ぎ、特に女子生徒がオレに向ける目はあからさまに汚物を見つめるかのように酷いモノとなり、例えば体育祭のフォークダンスの時はまるで「汚れ物を扱う」ような態度を取られたことも多々あった。
ソレが特に熾烈を極めたのが高校時代の時で、もはや「あの頃には絶対戻りたくない!」と思うほど、オレの人生の中でも完全に「黒歴史」とも言いたくなる位に酷い仕打ちを受けた。
未だにあの頃の屈辱とイヤな思い出を引き摺っている部分が多々ある。
そして、そんな地元から逃げるように神奈川の大学に進学するも、やっぱり馴染めなくてドロップアウト
逃げ込むようにアニメ屋に入るものの、あまりの労働環境の劣悪さに音を上げて挫折。
結局、親戚の叔父さんに拾われて今の会社に勤めるようになってはや8年目・・・で今があるというわけ。
あきらかに「普通じゃない」人生だ。


一方で、Eちゃんは地元(長崎)の高校からN大学に進学して上京。
そして、高校の時に出来た彼氏(恐らく「初恋」だろう)と、10年近くの交際を成就させて、25歳の時に東京で結婚。
同時に、就職していた病院(看護婦だった)を退職し、家庭に入る。
その後、二児をもうけて子育てに奮闘。
旦那さんの転勤で長崎に帰り(当然のコトながら、旦那さんも長崎出身)、Eちゃんの両親や旦那さんの両親ともども孫と一緒に親孝行している。
まさに、絵に描いたような「アナクロな普通」の生活だ。



同い年、しかも相当に仲の良かった彼女がそうやってオレをアッサリと「見捨て」て(少なくとも、オレはそう考えてしまうコトがある)彼氏に靡き、ソレを成就させて「絵に描いたような幸せ」を享受している一方、オレの方はと言うと、同じ時期に↑みたいに女の子からも一斉に総スカン食らって仲良くなることも叶わず、散々っぱら劣等感を染み込まされて、「絵に描いたような幸せ」からドロップアウトしてしまい、ソレがそのまま女性に対する言いようの無い畏怖となって、未だにオレの心を苛むことがある。
「コンプレックス持つな!」なんて土台ムリな話だ。



とはいえ、そんな「普通」なんか今から取り戻そうとしても時間を逆戻りでもさせない限りムリだし、そんなコトは重々分ってる。
だからこそ普段はそんなコンプレックスは表立って来ないのだが、例えば親戚の間で結婚の話があった時などは、腹の内に秘めたコンプレックスが容易に表面化してしまう。


「次はアンタの番ね。」
「アンタも早う結婚して、孫ん顔ども見せてやらんの(アンタも早く結婚して、(親に)孫の顔でも見せて上げなさい)。」


口さがない親戚連中からそうやって「責め立てられ」ると(本人達は悪気は無いのだろうが、少なくともオレはあまりイイ気分はしない)、まるでオレが


「女性と付き合うことも、結婚相手を探すことも出来ない不能者」


等と言われてるような気がして居た堪れなくなってくる。
両親は何も言わないが、腹の奥底じゃどう思っているのか・・・そう考えると、「普通のシアワセ」すらも満足に享受できない親不孝者のような気がして、両親に対して申し訳なくも思えてくる。
ソレがイヤで、5年ほど実家に寄り付かず、親戚付き合いも忌避するようになった時期があった。



オレの中での「普通コンプレックス」は、取りも直さずそんな「普通にシアワセな家庭を得てささやかに生きる」というモデルケースに合致しない自分に対する不全感から来ていると言える。
そして、そんな不全感と女性に対するコンプレックスがそのまま「不安感」に直結し、折角仲良くなれるかも知れなかった女性に「焦燥感」「束縛感」として伝播し、ソレが相手の不安を掻き立てて、結果として愛想を尽かされる・・・・・・そんな失敗ばかり繰り返してきた。
そう考えると、この「普通コンプレックス」は相当に根の深い問題ではないかと思えてくる。



果たして、そんな「普通コンプレックス」とどう折り合いをつけていけばいいか。
本当に折り合いを付けていくことは可能なのか。



ソレが、オレの脱ヲタ行動の大きな課題となることは間違いないだろう。