2005年オレ的TVアニメアカデミー賞 結果発表!4
「2005年オレ的TVアニメアカデミー賞」
いよいよ今日はオーラス、最優秀作品賞の発表だ!!
・・・とその前に、特別賞の発表。
この特別賞は、常設各賞ではフォローしきれない部分を決める非常設賞だ。
さて今年の特別賞は・・・
●再放送賞
戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010(テレビ埼玉) バカなストーリー、アホなキャラ、超スピーディーな展開等が渾然一体となって生み出されるシュールな笑いが新鮮。
ガチで作ってるのにナゼかおかしい、笑いを狙ってないのにナゼか笑えてしまうという所が最高におかしかった。
今の日本では絶対に作られないであろうタイプの作品。
●特撮賞
超星艦隊セイザーX 前半までなら「仮面ライダー響鬼」だったのだが、中盤以降の迷走ぷりで評価を落とした。
その間を縫って抜け出したのがコレ。
魅力的なキャラクター、ギャグとシリアスのバランスの良さ、何より「子供達のために」という意識が徹底しているのがいい。
●ベストキャラクター賞TOP5
1:クロミ(おねがいマイメロディ)
2:バク(おねがいマイメロディ)
3:レ・ミィ(ゾイドジェネシス)
4:不動GEN(創聖のアクエリオン)
5:ヴォルフラム(今日からマ王)
クロミ&バクが3位以下を大きく引き離すワンツーフィニッシュ。
悪役なのに誰よりも純真で可愛いクロミ、非モテ男の心を代弁するかのような言動のバク、とにかくキャラの立ち方がハンパじゃない。
ミィ様ことレ・ミィのツンデレっぷり、目立ちまくりで主人公を食った不動GEN、男なのにナゼか可愛らしいヴォルフラムも魅力的だったが、いかんせん上位2人が強すぎた。
以上が、今回の特別賞だった。
さて、ではいよいよ発表と行こう!
本年度、栄えある作品賞TOP5はいかに!!
●第5位
「マシュマロ通信」
昨年の2位に引き続き、今年も5位入賞。
喋るヒツジ、ヘンテコリンな習性を持つおかしな動物、街中に平然と住み着く宇宙人(?)・・・何でもありの舞台設定の中で、縦横無尽に暴れまわる主人公・サンディと仲間達が繰り広げる、愉快な愉快な大騒動が生き生きと活写されていて見事だった。
架空の街「マシュマロタウン」の魅力、その中に生きる人々の魅力、ほのぼのとした中にホンの少しだけブラックでシュールな味付けを施した”スパイス効いてる”ストーリーの魅力・・・ありとあらゆる魅力が詰まったファンシーコメディ。
ここまでアクの強い作品が1年間と言う長期間に渡って放映されたと言う事自体が驚きだったと言える。
●第4位
「ジパング」
かわぐちかいじの大ベストセラーのアニメ化。
元々のストーリーのクオリティの高さは折り紙つきなのだが、そのストーリーを全く改変する事無く映像化したのは全くもって適切だったと言える。
その上で、マンガではどうしても表現できない「動き」をダイレクトに伝える事に腐心し、結果、戦闘シーンは無類の迫力を生み出し、キャラクターの行動と心情はよりダイレクトに伝わってくるようになった。
角松、草加等の「濃い」オヤジたちを演じるキャスト陣の「濃い」演技アンサンブルも特筆もの。
決定的なクオリティ低下も全く無く全26話を描ききったスタッフの力量も凄い。
願わくば、第二期の制作を望みたいところだが・・・。
●第3位
「陰陽大戦記」
とにかく作品全体に漲る力感が素晴らしい!
多少の粗も何のその、全てをぶっ飛ばす圧倒的なパワーで邁進する若さと荒々しさ。
「濃い」キャラクターたちや「燃える」シチュエーションを、ほとんど使い捨てにするかのごとくぶつけてきて、それが作品の濃厚な魅力に直結していた。
だが、コレだけ「濃い」物に囲まれていても、「主人公・リクと式神・コゲンタの友情と絆」という主題は全くブレる事無く完遂されたのは特筆モノ!
周りの「濃さ」に負けない2人の絆の「濃さ」があればこそ、「主人公の成長」という命題が全くイヤミにならずに描けたのだろう。
物語途中からのヒロインの扱いの悪さ、残り1クールで息切れした展開等、粗も目立つが、それ以上にパワー漲る展開が強い印象を残した。
●第2位
「ゾイドジェネシス」
巨大メカ「ゾイド」同士の戦いを描くアニメ。
・・・というと「ロボットバトル物か?」と思うだろうが、その概念を大きく覆して「巨大メカを使った”戦争”を描く戦記物」というアプローチで望んだのは慧眼だったといえる。
その結果、巨大メカ同士が入り乱れて戦う「架空戦記物」として抜群の完成度を誇ることになった。
それを下支えするのは、何より「バカが付くほどバカ丁寧」なストーリー構成。
一つの作戦とそこに至る過程、そしてその結果がどう作用して、どのように戦局が動くのか・・・という過程を徹底的に描き、「架空戦記物」としてのリアリティをトコトン追求。
今、最も「戦争」を「リアル」に描いたアニメだと言えるだろう。
その中で次第に成長し、戦士としての力と指導者としてのカリスマ性を磨いていく主人公・ルージが、非常に魅力的。
中心軸のストーリーとキャラクターがしっかりしているからこそ、どれだけストーリーが脇に逸れても決して主題がブレる事がない。
脇を固める多彩なキャラクターの魅力、架空世界「惑星Zi」の様々な地域とその文化をも描き分ける舞台背景の魅力、戦記気分を盛り上げる壮大な音楽の魅力(音楽賞受賞)も外せない傑作!
さて、いよいよ「2005年オレ的TVアニメアカデミー賞」最優秀作品賞発表だ!
栄冠に輝いたのは・・・・・・
●最優秀作品賞
もはやコレしか考えられなかった。
抱腹絶倒の奇抜なストーリー、シュールでブラックなカオス展開、パロディと小ネタを縦横無尽に畳み掛けてくるギャグアニメとしての完成度は抜群。
しかもソレを”あの”サンリオの看板キャラの”あの”マイメロディで断行したというスタッフの英断は、まさに”漢気”と呼んでも差し支えないだろう。
だが、そんな「シュールギャグアニメ」としての完成度以上に、実は「多彩な登場人物たちが入り乱れるキャラクタードラマ」としての完成度も非常に高い所が秀逸!
可愛い笑顔の裏に腹黒い側面を見せるマイメロ、憎まれ役なのに実は誰よりも純粋な”恋する乙女”のクロミ、そんなクロミにひたすら忠誠を誓うイイ奴なバク、主人公のくせに妙にガサツで口が悪い歌、ひたすら電波ポエムを垂れ流す美紀、男気溢れる真菜、歌に想いを寄せる小暮、厭世的で冷たい虚無感を漂わせる柊等々、とにかくキャラの立ち方がハンパじゃない!
レギュラー陣は言うに及ばず、各話ごとのゲストキャラも非常に多彩で、しかも立っている!
そして、そんな「立った」キャラクターが繰り広げる様々なドラマが、「マイメロ」を単なる「シュールなブラックコメディ」に終わらせない原動力となっている。
歌と小暮と柊の三角関係、その中で次第に「人間らしい」心を取り戻しつつある柊、人の心に住み着く欲望の発露である黒音符と、その欲望を「夢」に昇華したピンク音符のバランス、そして、全ての夢を覆い尽くす「ダークパワー」と、それに対抗する「ドリームパワー」の拮抗等々、本筋のストーリーも極めて完成度が高い。
地に足がついたストーリー描写があったればこそ、どんなにおかしなカオス展開になっても本題が全くブレるコトが無いのだろう。
まさに全方面にアピールできる一大傑作!
他を大きく引き離して文句無しの最優秀作品賞受賞!!
以上が「2005年オレ的TVアニメアカデミー賞」の全結果だった。
結局「おねがいマイメロディ」が4部門(作品、キャラクターデザイン、主題歌、助演女優)を制し(ベストキャラクター賞を含めれば5部門)、最高の評価という事になった。
一方、割を食ったのは2部門受賞(シリーズ構成、音楽)の「ゾイドジェネシス」で、「マイメロ」が無かったら作品賞とキャラクターデザイン賞が上乗せされて4部門受賞だった。
同じく2部門で「陰陽大戦記」(美術、主演男優)と「ジパング」(監督、助演男優)が続き、「マシュマロ通信」が1部門(主演女優)という結果だった。
ちなみに、5位以下は↓の通り。
第6位「闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才」
第7位「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説」
第8位「創聖のアクエリオン」
第9位「今日からマ王!」
第10位「韋駄天翔」
「アカギ」はこの位置になってしまったが、それは上が詰まりすぎていたためで、来年は飛躍的に順位を上げることが予想される。
「ムシキング」は確かに志は高いのだが、その志の高さにスタッフの力量が追いついて行ってないのが悔やまれる。
「アクエリオン」の瞬間芸的なバカなパワーは秀逸だったが、本筋がテンション低かったのが返す返すも残念だった。
「マ王!」はこの位置になったが、新展開になってから非常に面白くなりつつあるため、来年はさらに順位を上げるだろう。
残り1枠は「ガイキング」と迷った末に、将来性を見越して「韋駄天翔」を押す。
さて、来年のTOP10はどのような陣容になるのか。
そして、今年放映の新番組はどのようになるのか。
大きな期待と不安を抱えつつ、今回はココで筆を置くとしよう。