取り留めの無い話をつらつらと


(※はじめに
今回の記事は極めて個人的な愚痴が多くなるため、不快に思われたら申し訳ありません。
また、この記事で以って特定個人を貶めるつもりは毛頭ございませんので、予めご了承ください。)



きっかけは数週間前の飲み会だった。
彼らとは去年、オレの飲み友達の○○さん(オレは「姐さん」と呼んでいる)のツテで知り合ったんだけど、既に数回飲みを重ねていてそれなりには気心は知れているつもりだった(ちなみに言うと、所謂「オタク」集団ではない)。
そして酒が進んできたとき、その中の一人がぶしつけにこう言ってきた。
「オマエさぁ、ラコステ着てんのに彼女居ないのかよ〜!」
「??」
確かにその時のオレはラコステのポロシャツと古着のジーンズを身に付けていたんだけど、ソレはあくまでオレの中で最も楽な格好をしてきたに過ぎないだけで、何故ラコステが「彼女」に結びつくのか皆目見当が付かずに呆然となってしまった。
「オマエいつもいい服ばっか買ったり着たりしてるけど、彼女出来なきゃ意味ねぇじゃん!」
どうも彼は、オレが飲み会に結構イイ格好で来たりしている事が気に食わなかったみたいだ。
とりあえずスルーしようとしたけど、さらにソレが怒りを買ったらしく
「服ばっか買って体面ばっかり気にしやがって!」
「いい服着なくても心が綺麗ならそれでいいんだ!」
「お前に彼女が出来ないのは、お前の心が汚いからだ!」
等と執拗に絡みだしてきた。
「別にいい服着てるかっらって、彼女とか関係ないんじゃないか。」
等と反論してみても
「じゃあ何でラコステなんか着てんだよ!」
「いい服着て彼女出来ないからって、言い訳ばっかしてんじゃねぇよ!」
等々と非道く論われる始末。
そして話は、オレが彼らに誘われて行った合コンの話題に飛び火する。
「オマエ、××さんとメール交換したのか!」
「??」
その合コンに来てた女性陣に、30代前半くらいのなかなかよく喋る明るい人が居たんだけど、その女性の話題をイキナリ持ち出されてきて面食らってしまった。
オレは別にその人が好きとか嫌いとかじゃなく「まぁ、飲み会で飲むくらいならイイ人だし、別にいいんじゃない」位にしか思っていなかったから、何故ソレが「メール交換」に結びつくのか皆目見当が付かなかった(オレにとってメール交換は、本当に気の合った人としか交わさない「特別な」事なのだ)。
そして「交換してない」と言ったら
「だからダメなんだオマエは!」
「何でそこでメール交換とかしないんだよ!」
「そんなに消極的だから彼女ができねぇんだよ!」
等と、更に激化してしまった。
別の人が何とかとりなそうと必死でフォローしていると、さらにソレも気に食わなかったみたいで
「そうやって甘やかすからダメなんだ!」
「○○さん(オレの言う「姐さん」)も甘い顔ばっかするからなぁ。」
「オマエはそんな○○さんに甘えてばっかしなんだよ!」
「こんなヤツにはガツンと言わないとためにならねぇんだよ!」
等々と荒れだしてきた。
さらに別の人も加わって来て
「そんなの消極的なアンタが悪い。」
「俺たちはアンタの為を思って言ってんだよ。」
等と同調してきた。
そうなるともうダメだ。
(今まで彼女がいなかったオレは、悪い人間なんだろうか・・・。)
(いい服着ているのに彼女がいないオレはダメ人間なんだろうか・・・。)
(別にモテ云々で服を着ているつもりは無いけど、それは結局モテない男の言い訳でしかないんだろうか・・・。)
(いや、そもそもいい服を着たら彼女がいないといけないんだろうか・・・。)
(そうだとしたら、彼女いないオレはやっぱりダメ人間なんじゃないだろうか・・・。)
(「オマエの為を思って言ってるんだ」っていうのは、ただ単にそんな言葉を免罪符にして彼らがストレス解消しているだけなんじゃないか・・・。)
(いや、もし本当にオレのためを思って言ってくれているのだとしたら、嫌な勘繰りをしているオレこそが悪い人間なんだろうか・・・。)
(そうだとしたら、彼らの辛辣な言葉をスルーするのはいけないことなんじゃないだろうか・・・。)
(オレは本当にこの場にいていいんだろうか・・・。)
そんないたたまれない気分に陥ってしまったオレは、ヘロヘロ笑いながら(笑うしかなかった)焼酎をガブ飲みしてしこたま酔っ払い、帰り道で10年来の友人に電話を掛けて非道く愚痴るくらいしか道が無かった。




事はそれだけじゃ終わらない。
この数週間の間、会社の人間関係でも非道くいたたまれない気分になることが多い。



ウチの会社は社員僅か10数名の小企業。
しかも、オレを境に上は40歳以上の人々ばっかで、オレはまだ若い方に属する。
そして、オレより5〜6歳若い人(最年少)とオレの間の年齢層に6人ほど集中している。
そのうちの5人が、非常に仲がいい。
女性3人に男性2人、その内夫婦が1組。
その5人は、休み時間や昼食時には一緒に行動し、休日にはライブに行ったり花火を観に行ったりと、ほとんど学生時代のサークルのノリだ。
さてお気づきか。
6人のうち5人が仲がいい。
つまり、オレははぐれ者なわけだ。
いや、オレも彼らの輪に入ろうとした事はある。
それも1度や2度じゃない。
だけど、オレと彼らの間にはどうにも深い溝があるような感じがする。
具体的に言うなら、彼らの話す言葉がオレには全く分からない。
ラーメンズ」「モリヒロシ(誰?)」「トモフ」「小島よしお」等々・・・。
今までまったく聞いたことの無い単語のオンパレードだ(ちなみに「小島よしお」だけは後にテレビで観た。出始めのインパクトは面白かったけど、ただ単に勢いに任せてネタを繰り返すグダグダ感が次第に嫌になってきて観るのを止めてしまった)。
だけど、彼ら彼女らの間では既にそれらは完全に共通認識になっているのだ(あの「小島よしお」で笑えるのだ!)。
そうなると、もうついていけない。
もはや彼らは、オレとは全く別世界の人間のようにしか思えなくなった。
年齢も近く、それなりに固まったグループなのに、オレはそんな、比較的自分と近しい年齢層の人々と共通認識を持てないまま30年以上過ごしてきてしまった。
オレの周回遅れぶりをまざまざと見せ付けられて、非道く落ち込んでしまった。
理解できないまま彼らの話に加わったところで、多分全くついていけずにただ閉じこもるだけ。
そうなったら、彼らはオレを疎んじるようになるんじゃないだろうか。
いや、もう既に陰で
「アイツは話なんかろくすぽ出来ない癖になぜか居るんだよねぇ〜」
「ウザくねぇ〜?」
「空気読めねぇよなぁ、アイツ。」
等と言ってオレを蔑んでいるんじゃないか。
彼らとてオトナなわけだから表立っては言わないだろうけど、腹の奥底ではオレを蔑んで爪弾きにしたがっているんじゃないんだろうか。
ソレは丁度、中学高校時代にオレをそうやって爪弾きにしてきた、あの連中と同じように・・・。
そうなってくると、もう止まらない。
(オレは、本当にこの場に居ていいんだろうか・・・。)
(オレと彼らは、別世界の人間なんだろうか・・・。)
(彼らの世界に憧れるのは、悪いことなんだろうか・・・。)
(オレは、もはやとり返しの付かない所まで遅れてしまっているんじゃないんだろうか・・・。)
一度陥ったマイナススパイラルに、どんどんはまり込んでいってしまった。
最近では、彼らが仲良さげに話をしている声を聞いただけで気分が落ち込んできてしまう位にまでなってしまった。



で、結局その無理が祟ってとうとう大爆発してしまった。
仕事上の些細な行き違いだったんだけど、ソレを切欠にオレの中に溜め込んだモノが噴出し、机を蹴飛ばし、椅子を壊し、大声で喚き散らしながら頭を壁に打ち付けて額から血を流してしまった。
コレで、会社内でのオレの立場がさらに微妙になってしまった。
中学高校時代以来ずっとそうやって来てしまって、その度に「今度こそはガマンしよう!」と心に誓ってきたはずなのに・・・。



全く、オレはいつまで経っても全然変わることが出来ない。
相も変わらず、一端マイナス思考に陥るとトコトンまで落ち込んでいってしまう。
そして、腹の内に収めて収めて収めて、収めきれずに爆発してしまう。
本当にしょうがない人間だ。
最近じゃ、夜に布団に入ってもあまり寝付けなくなってしまっている。
そのまま西武線の踏み切りに飛び込んでしまおうかとすらも考えてしまった。
そのために、割と本気で遺書まで書いた。
彼女がいる状態、仲良し同士で若者らしい会話をしてコミュニケーションを深める状態、何れも、オレが過去味わおうとしてとうとう出来なかった事ばっかりだ。
同い年くらいの人々はそうやって謳歌しているのに、オレは一体何なんだろう。
「彼女がいる」っていう状態は、ひょっとしたら性質の悪い都市伝説か何かじゃないかとすらも思えてきてしまうオレは、最早取り返しの付かないほどまでに遅れてしまっているんじゃないんだろうか。
だとしたら、一体何が一番悪いんだろう。
オレをひたすら爪弾きにしたスクールカーストが悪いのか。
そんなオレに「逃げ道」を与え続けてきたオタク業界が悪いのか。
それとも、そんな「逃げ道」にまんまとハマり込んで10年以上惰眠を貪り続けてきたオレが悪いのか・・・。




そんな取り留めの無い事が次から次へと浮かんできてしまって、今日もまた、なかなか寝付けなくなりそうだ。